撮影では「やってしまった!」という失敗がつきもの。
でも多くは一手間で直せるか、次から起きないように予防できます。
ここではSNS/プロフィール/イベント撮影で出くわす代表的なNGをQ&A形式でまとめ、原因・その場での即効対処・編集での直し方・そして再発防止のコツまで実用的に解説します。
現場で役立つ短いチェックリストも最後につけました。
- Q1 — 目をつぶってしまった!どうすればいい?
- Q2 — 逆光で顔が真っ暗/影で顔が見えない
- Q3 — 顔がのっぺり平坦に写る(立体感が無い)
- Q4 — 二重あご(顎下のたるみ)が気になる
- Q5 — スマホの近距離で顔が歪んで見える(鼻が大きく見える等)
- Q6 — 顔がテカって見える(光でテカリが強い)
- Q7 — 背景がうるさくて被写体が埋もれる
- Q8 — 手や腕が不自然で“迷子”になっている
- Q9 — 色味がおかしい(黄色・青っぽい顔色)
- Q10 — 加工しすぎて不自然(ツルツル肌・やりすぎ小顔)
- Q11 — 集合写真で誰かが欠ける・見切れる
- Q12 — 表情が硬い・不自然(作り笑い)
- 最後に:撮影現場で使える「即効チェックリスト(10秒で確認)」
Q1 — 目をつぶってしまった!どうすればいい?
症状:撮った写真で誰かが目を閉じている(瞬き)、笑顔が台無し。
原因:シャッタータイミングの問題、フラッシュや直前の声掛けで瞬き、被写体の不意のタイミング。
撮影時の即効対処
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すぐに同ポーズで「連写(バーストモード)」を使う。連写なら目を開けている瞬間が残りやすい。
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「もう一回だけ、今度は自然に笑って」と短く声を掛けて連続で撮る。
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集合写真なら「1、2、3、はーい!」のようにリズムを作ると自然に目が開きやすい。
編集での直し方
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同じ撮影から目の開いているカットを選び、フォトレタッチで合成(目だけ差し替え)する。Photoshopのレイヤーとマスクで自然に馴染ませる。
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合成が難しい場合、トリミングで視線が目立たない構図に変えるか、別カットを使う。
予防策
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重要な1枚は必ず連写または複数ショットで撮る習慣をつける。
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カメラマンは「数を撮る」→「確認」→「微調整」を繰り返す。短い合図を決めておく(例:「自然に〜、笑って!」)。
Q2 — 逆光で顔が真っ暗/影で顔が見えない
症状:背景は明るいのに被写体の顔が暗くて表情がわからない。
原因:強い後ろ光(逆光)によりカメラが背景の明るさを優先して露出を下げてしまう。
撮影時の即効対処
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AE/AFロック(スマホなら被写体を長押し)で顔に露出を合わせる。
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リフレクター(白いボード、発泡スチロール、白い布)で顔に光を返す。持ち手がいなければ白い紙でも可。
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もし可能なら被写体をもう少しカメラ寄りに移動させ、背景と被写体の位置関係を変える。
編集での直し方
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Lightroom等でシャドウを上げる、ハイライトを下げる(背景の飛びを抑える)→顔のディテールを救出。
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必要なら局所補正(被写体の顔だけ明るく)を行う。ただしノイズが出やすいので注意。
予防策
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撮る前に光の向きを確認。逆光を使う場合は必ず光を返す手段を用意しておく。
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スマホではHDRをONにしておくとダイナミックレンジを保ちやすい。
Q3 — 顔がのっぺり平坦に写る(立体感が無い)
症状:顔の凹凸が分からず、のっぺりした印象。表情が弱い。
原因:フラットな正面光(強い正面ライト、曇天で均一な光)、光源が小さく硬い/光が均一すぎること。
撮影時の即効対処
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光の角度を変えて斜め45度の窓光ややや上からの光に調整する。わずかな斜め光で陰影が出る。
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リングライト等の正面光を少し上に持ち上げ角度を付ける。
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少しだけシェーディング(顔の外側に影)を意識するポーズに誘導する(顎を前に出してから軽く引く)。
編集での直し方
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コントラストをほんの少し上げ、シャドウとハイライトを調整して立体感を出す。
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「Texture」「Clarity」は顔には弱めに。逆に目元や髪にシャープを足すと顔が引き締まって見える。
予防策
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撮る前に光の性質(硬い/柔らかい)を確認。柔らかく斜めの光が基本。
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同じ被写体で光の位置を変えたサンプルを撮って、自分の”ベスト光”を把握しておく。
Q4 — 二重あご(顎下のたるみ)が気になる
症状:顎下が目立ち、顔が丸く見える。
原因:カメラ位置が低すぎる、顎の引き方が不適切、光の当たり方で影が出ている。
撮影時の即効対処
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カメラをやや上から(目線より少し高め)に移動する。顎が引き締まって見える。
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「顎を前に出してから軽く下に引く(チンを引く)」ポーズ指示をする。これで首が伸び、二重あごが目立たなくなる。
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照明で顎下を直接照らさない(下からの光はNG)。やや上からの光を使う。
編集での直し方
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ローカルブラシで顎下のシャドウを少し強めにして視覚的に引き締める(自然に)。
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輪郭修正ツールは使い過ぎない。繋がりが不自然にならないように少しずつ。
予防策
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自分の「顎ラインがキレイに出る角度」をテスト撮影で見つけておく。セルフ撮影時はそれを基準にする。
Q5 — スマホの近距離で顔が歪んで見える(鼻が大きく見える等)
症状:近くで撮ると鼻が強調され、顔が歪む。
原因:スマホの広角レンズ特有のパース歪み。被写体がレンズに近すぎるため。
撮影時の即効対処
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スマホを少し離す(腕を伸ばす/セルフタイマーで三脚に置く)→顔の比率が自然に。
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可能なら望遠寄り(2xなど)で撮る(光学ズームを使う)。
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広角を使う場合は正面より少し斜めの角度で撮ると誤差が目立ちにくい。
編集での直し方
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Photoshopや専用アプリの「レンズ補正」機能で歪みを少し補正する。ただし過度に補正すると不自然に。
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トリミングでディストーションが目立たない構図にする。
予防策
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スマホ撮影時は常に「腕1本分以上」離れて撮る癖をつける。人物撮影は可能なら距離を確保する。
Q6 — 顔がテカって見える(光でテカリが強い)
症状:Tゾーンなどが不自然に光って見える。写真だと脂っぽく見える。
原因:強い正面光、皮脂、光沢のあるファンデや素材、ハイライトの出しすぎ。
撮影時の即効対処
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ティッシュでTゾーンを軽く押さえて余分な皮脂を取る。
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光を拡散(レースカーテンやディフューザー)して柔らかくする。
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ライトの角度を少し変えて直接の反射を避ける。
編集での直し方
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ハイライトを下げ、ローカルでハイライトを抑える。
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スポット修正で強い反射点を小さくする。
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「Texture」や「Clarity」を微調整して自然感を戻す。
予防策
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撮る前に軽くフェイスパウダーをはたいておく(必要なら)。ライトの反射に注意。
Q7 — 背景がうるさくて被写体が埋もれる
症状:ごちゃごちゃした背景で被写体が目立たない。
原因:背景の要素が多すぎる・色が被写体と被っている・被写体と背景の距離が近い。
撮影時の即効対処
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被写体を背景から少し離すだけで背景はぼけやすくなり、被写体が浮き上がる。
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背景の不要物を移動する、もしくは被写体の立ち位置を変える。
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ポートレートモードや絞りを開ける(カメラ機材がある場合)で背景をぼかす。
編集での直し方
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背景をトーンダウン(露出を下げる)、もしくは背景を部分的にぼかす(境界を丁寧に処理)。
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色の分離(被写体の彩度を少し上げ、背景の彩度を下げる)で強調する。
予防策
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撮る前に「フレームの中を整理する」習慣をつける。余白(ネガティブスペース)がある構図は被写体を引き立てます。
Q8 — 手や腕が不自然で“迷子”になっている
症状:手の位置が awkward(不自然)で全体のバランスが悪く見える。
原因:撮る側も被写体も手の置き方を考えていないことが多い。
撮影時の即効対処
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被写体に具体的な指示を出す:片手をポケットに(親指だけ出す)、腰に軽く当てる、膝に置くなど。
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前列では手が顔を隠したりしないよう明示的に調整する。
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3パターンくらい手の位置を変えて撮ってみる。
編集での直し方
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手の位置は基本的に編集で直すのは難しい。ベストカットを選ぶか、合成で別カットの手を移植する(かなり手間)。
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トリミングで手が目立たない位置にするのも一案。
予防策
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ポージングパターンをいくつか用意しておき、被写体に最初に1つ伝えると混乱が少ない。
Q9 — 色味がおかしい(黄色・青っぽい顔色)
症状:肌色が不自然に暖色や寒色に偏っている。印象が悪い。
原因:複数光源(電球+窓光)の混在、カメラのホワイトバランスが不適切。
撮影時の即効対処
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光源の色を統一する(電球を消す/LEDを昼白色にする)。
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カメラのホワイトバランスプリセット(昼光/電球)を切り替えて自然な肌色に合わせる。スマホは手動でKelvin設定があれば微調整。
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可能ならRAWで撮影して後で色温度を直す。
編集での直し方
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Lightroom等で**色温度(Temp)**を調整。肌が自然に見えるポイント(人によるが概ね5200K前後が昼光基準)に合わせる。
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肌の色むらはHSL(色相・彩度・輝度)で局所補正。
予防策
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撮る前にホワイトバランスを確認する。屋内撮影ではライトを統一しておく。
Q10 — 加工しすぎて不自然(ツルツル肌・やりすぎ小顔)
症状:肌がプラスチックのよう、顔の輪郭が不自然に細い、目だけ大きいなど違和感。
原因:過度のスムージング、極端な輪郭補正、自動AI補正の盲信。
撮影時の即効対処
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編集でやりすぎないためにまず撮影で条件を整える(光・距離・表情を良くする)。
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編集前に「オリジナルと比較」するクセをつける。
編集での直し方
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レイヤーの不透明度を下げる/加工のスライダーを戻す(少し戻すだけで自然になる)。
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「肌の質感」は完全に消さない。TextureやClarityを少しプラスして自然感を少し戻す。
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フェイスシェイプの補正は首とのつながりを常にチェックする。
予防策
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加工は「補正」目的に留める。プロフィール等の用途なら実物との差が出ない範囲で。
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自動補正ツールは必ず手動で微調整する。
Q11 — 集合写真で誰かが欠ける・見切れる
症状:後列の人が見えなかったり、前列の人の頭が切れている。
原因:段差がない・前列が詰まりすぎ・カメラの高さや距離不足。
撮影時の即効対処
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すぐに段差を作る(椅子、台、段差があれば利用)か、前列と後列の間隔を広げる。
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カメラ位置を上げる(階段や小さな台に乗るなど)と視認性が上がる。
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人の配置を「背の高い人を外側」に移動させるだけで見え方が変わる。
編集での直し方
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ある程度はトリミングで改善可。どうしても隠れている場合は別ショットを合成する(手間)。
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集合写真は編集で救うより撮影で整える方が早い。
予防策
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集合写真は必ず「段差」を用意し、カメラ位置と列のバランスを確認してから撮る。
Q12 — 表情が硬い・不自然(作り笑い)
症状:笑顔がぎこちない、表情に温度感がない。
原因:緊張、カメラ意識しすぎ、声掛けが抽象的(「笑って」だけ)など。
撮影時の即効対処
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撮る側が短い具体的な指示を出す(「最近あった嬉しいことを思い出して」「少し照れて微笑んで」)。
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会話ベースで被写体の気持ちを動かす。冗談や軽い話題を挟むと自然な表情が出やすい。
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連写で自然な瞬間を狙う。
編集での直し方
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表情の硬さは編集で直すのが難しい。ベストショットを選ぶか、自然な瞬間の別カットを合成する。
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口元だけの微調整は合成で可能だが不自然になりやすい。
予防策
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被写体と短い雑談をしてリラックスさせてから撮る。撮る前に3〜5枚のラフショットでほぐす。
最後に:撮影現場で使える「即効チェックリスト(10秒で確認)」
撮る直前にこれを唱えてください(短縮版):
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背景に余計なものはないか?
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光は顔に柔らかく当たっているか?(逆光ならリフレクター)
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カメラは目線よりやや上か?(二重あご対策)
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スマホは十分に離れてるか?(広角歪み対策)
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連写で数枚撮る設定にしているか?
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表情の指示は具体的か?(「笑って」ではなく「ちょっと照れて笑って」)
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手の位置は自然か?(迷子になってないか)
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色味は不自然でないか?(ホワイトバランス)
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テカリは抑えたか?(軽く押さえる)
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最初の1枚を必ず確認して微調整すること。

